ここ数か月、アメリカと北朝鮮との緊張状態が続いています。
一時は、あすにでも戦争が始まるのかというところまで来たこともありましたが、アメリカも、北朝鮮も、ぎりぎりのところで踏みとどまっている状態です。
今年の春以降、少しずつ北朝鮮の状況が明らかになるにつれ、北朝鮮を攻撃することが、殊のほか難しそうだという認識が強まってきていると思います。
米ジョンズ・ホプキンス大学のシンクタンク「米韓研究所」が運営する北朝鮮分析サイト「38ノース」は、北朝鮮の、
・核兵器 開発関連施設は、最大で150か所、要員は 9,000~15,000人、
・生物兵器 開発関連施設は、25~50か所、要員は 1,500~3,000人、
・化学兵器 開発関連施設は、25~50か所、要員は 3,500~5,000人
と試算しました。このように、核兵器の開発に重点を置いていることがわかります。
これらの施設が地上にある分には、攻撃目標が目に見えますので、まだ対処のしようがあると思います。
この北朝鮮問題の解決を難しくしているのは、「地下」航空基地が約20か所、「地下」砲兵陣地が数千か所あり、それらは軍事衛星では監視できないことと、それに加え、金正恩が暗殺を恐れ、いくつかの極秘の地上施設、地下施設を日替わりで転々としていることです。
きょうの朝鮮日報日本語版で、昨年9月に北朝鮮ハッカーによって「作戦計画5015」いわゆる「金正恩斬首作戦」を含む大量の軍事機密文書が北朝鮮に流出したことが報じられました。
米韓の手の内が北朝鮮に流れたということです。
アメリカが北朝鮮の核・ミサイル開発を止めるチャンスは、過去には何度かありました。しかし、ことごとく、そのチャンスを逸してしまいました。
そして、いま、中国・ロシアが、建前はともかく、本音のところでは北朝鮮支援に廻っているため、アメリカに残された選択肢がどんどん狭まっている状況だと思います。
数か月前、北朝鮮が中国を名指しで批判する中で「北朝鮮にとって核は命同然」と言ったように、金正恩が生きている限り、北朝鮮が核を放棄することはありません。
いままでに、このブログの中で何度か書いたように、この状況の中で、日本や韓国やアメリカが被害を受けずに、最も現実的で、最も効果的に解決する方法は、金正恩の側近による暗殺です。
そして、後継政権が核を放棄して、豊富な地下資源を活用すれば、北朝鮮は豊かな国になれます。
もともと、朝鮮が南北に分裂するまでは、北朝鮮側が工業地帯、韓国側が農業地帯でした。
ですので、北朝鮮が西側の文化を受け入れれば、あっという間に韓国をも凌ぐ工業国になれる可能性だってあると思います。もったいない話です。
2017.10.11