韓国にやってきた脱北者の数が、昨年、累計で3万人を超えました。その脱北者たちは北朝鮮の実態をいろいろな場で証言し、それが日本にも伝わってきます。
その内容は、多少誇張している部分があるかもしれませんが、概ね事実なんだろうと思います。また、ソースは明らかになっていませんが、事実と思われる情報も伝わってきます。
そのひとつに、日本では至極当たり前の行為が北朝鮮では犯罪になり、即、刑務所にぶち込まれる という情報があり、多分これも事実なんだろうなと思います。
犯罪その1)ジーパン着用:
北朝鮮ではジーパンは資本主義の象徴と見なされています。ですから、ジーパンをはいていると「非社グルパ」という「非社会主義取り締まりグループ」に捕らえられ強制労働現場に送られます。北朝鮮では「グループ」のことを「グルパ」といいます。
犯罪その2)金正恩政権が望まないヘアスタイル:
北朝鮮では、ヘアスタイルは、男性は10種類、女性は18種類の中から選ばなければいけません。2014年、金正恩が、男性は全員、自分と同じヘアスタイルにすることを奨励したことが日本のTVで報道されましたので、ご覧になった方も多いと思います。金正恩のヘアスタイルとは、あの、トルコのカッパドキアのようなヘアスタイルです。
犯罪その3)キリスト教信仰:
北朝鮮の憲法では信仰の自由が認められていますが、キリスト教は別です。過去に、北朝鮮でキリスト教の布教活動をした牧師さんが何人も逮捕されて刑務所に送られました。また、ナイトクラブに聖書を置き忘れた男性も逮捕されました。
犯罪その4)クリスマスを祝う:
北朝鮮では、12月24日にクリスマスを祝うためにクリスマスツリーやイルミネーションを飾ると犯罪になります。しかし、その12月24日は、たまたま金正恩の祖母の金正淑(キム・ ジョンスク)の誕生日ですので、北朝鮮では祝日になっていて、記念行事を行っています。金正淑は金日成夫人です。
犯罪その5)許可ルートからの逸脱:
北朝鮮で観光する際は、常に政府公認ガイドが同行します。観光ルートはあらかじめ決められていて、写真撮影はその範囲のものに限られます。移動するルートも指定されていて、許可されたルートから外れたところで写真撮影をすると刑務所行きです。
この他にも、えっ、こんなことで逮捕されちゃうの? というものがたくさんあります。
北朝鮮では、基本的に、資本主義を連想させるものはすべて取り締まりの対象になっていると考えて間違いないと思います。
しかし、金正恩政権がいくら資本主義的なものを排除しようとしても、最近では北朝鮮の若者の間では PC やスマホが普及しているため、外国の情報や韓流ドラマがどんどん流入しています。それに伴い、資本主義にあこがれる若者が増えてきているようです。
これは、よい兆候だと思います。この流れが一気に北朝鮮 2,500万人全体に広がっていって金正恩政権が抑えきれなくなれば、政権が自滅し崩壊する可能性が出てきます。
これまでのアメリカ主導の軍事的・経済的圧力に反発し、最近では、中国・ロシアが北朝鮮を擁護する側に回っているため、北朝鮮は外部からの圧力では倒れにくくなっています。
それよりも、北朝鮮内部からの圧力で金正恩政権が崩壊するのを期待する方が現実的かもしれません。
先の長い話ですが、・・・ 。
2017.07.10