4月3日、アメリカ下院は北朝鮮をテロ支援国家に再指定する法案を、賛成394、反対1という圧倒的多数で可決しました。
この法案は今後、上院を通過し、トランプ大統領が署名すれば成立しますので、7~8月ごろには北朝鮮をテロ支援国家に再指定することになると思います。「テロ国家」ではなく「テロ支援国家」です。
北朝鮮内で恐怖政治が行われているのは有名な話ですが、北朝鮮消息筋、韓国国会での報告、韓国政府報道官などの話として少しずつ伝わってきた内容をまとめると、北朝鮮での具体的な処刑の理由と処刑のやり方は、次のようになります。これで金正恩の常軌を逸した人となりがよくわかります。
1.処刑の理由:
~1)政府高官の場合:
金正恩の機嫌を損ねたケースが多いようです。
①利権の扱い:金正恩の叔父の張成沢・朝鮮労働党行政部長が処刑されたのは、張成沢さんの部下の副部長2人が、金正恩から行政部の利権を朝鮮人民軍に回すようにと指示を受けたとき「張成沢部長に相談してみます」と即答を避けたため、金正恩は激怒し処刑を命じました。
②山林緑化政策:次官級の幹部が北朝鮮の山林緑化政策で金正恩に意見を述べたところ、権威に対する挑戦と見なされ処刑されました。
③設計変更:大同江付近に建設中の「科学技術殿堂」の屋根の形はもともとドーム形でしたが、金正恩から屋根の形は花形に設計変更するようにと指示されたとき、次官級の国家計画委員会副委員長が、施工が難しく工期も延びますと意見を述べたところ処刑されました。
④座る姿勢:金勇進・副首相は国会に相当する最高人民会議で、金正恩から「座る姿勢が悪い」と指摘され、銃殺されました。
~2)一般住民の場合:
日本の警察庁に相当する人民保安省の通常のやり方のようです。
①外国ドラマ・映画:外国から流入したドラマや映画を見た人は機関銃を乱射して公開処刑されます。
②窃盗:窃盗犯は、親族全員が見守る中で、お酒を一杯飲まされ、さるぐつわを噛まされた状態で公開処刑されます。
2.処刑のやり方:
今年2月の読売新聞に、党や軍の幹部140人以上が処刑されたという記事が掲載されていましたので、いまはそれ以上になっていると思います。
北朝鮮では公開処刑で頭を撃ち抜く銃殺刑が一般的です。それは、1998年、金正恩の父・金正日が「頭に悪いものが詰まっているのだから頭を撃ち抜け」と命令してから定着したと言われています。
なお、政府高官の場合には、見せしめのため、数百人の高官が見守る中で、たとえば、玄永哲・人民武力部長(国防相に相当)のときのように高射砲で処刑されたり、人民武力部の副部長のときのように迫撃砲の着弾地点に立たせて処刑することもあるようです。
北朝鮮では上記に挙げた理由で銃殺刑になるんですね。
金正恩は頭が狂っているとしか言いようがありません。
2017.06.19