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酒興放論

お気楽に人生を楽しんでばかりいるとバカになってしまうので、せめて1日に1回ぐらいはまとまったことを考えてみようというところから始めたお気楽ブログで、お酒を楽しみながら言いたいことを言うという趣旨です。ふだん、飲み友だちと居酒屋で酒を酌み交わしながら話し、話した先から消えていくような、1話1~2分のたわいもないお話です。心境が変化したら、ある日突然やめるかもしれません。

第79話【経済】なるべくしてなった実感なき景気拡大

2012年12月に第2次安倍内閣が発足してから今年の4月までの4年5か月(53か月)景気拡大が続き、遂に戦後3番目の長さになりました。

いままでの3番目の長さの「バブル景気」を抜いたことになります。「バブル景気」は80年代後半から90年代初頭にかけて51か月続きました。

「バブル景気」を抜いたとは言え、いまが好景気であるという実感はまったくありません。実質国内総生産(GDP)成長率は、バブル景気のときが年平均5%程度だったのに対し現在は1%程度で、従来の景気拡大基調のときと比べて賃金や消費の伸びが緩やかだからです。

景気が拡大しているのか縮小しているのかと言えば、確かに拡大しているのでしょう。今年4月の有効求人倍率は 1.48倍 と、約43年ぶりの高水準で、いわゆる売り手市場です。金融市場では円安が進み、日経平均株価は2万円ぐらいまで回復しました。

しかし、景気が拡大しているという実感はありません。

戦後最長の景気拡大は「いざなみ景気」で2002年2月から2008年2月までの6年1か月(73か月)続き、円安が輸出を下支えしました。小泉・安倍・福田内閣のときです。この「いざなみ景気」が終息した後、2008年9月にリーマンショックが起こり、世界同時株安、超円高と大変な時期を迎えました。

戦後2番目の長さの景気拡大が、高度経済成長期の「いざなぎ景気」で1965年11月から1970年7月までの4年9か月(57か月)続き、鉄鋼や電気製品の輸出が景気拡大を主導し、新・三種の神器(クーラー、車、カラーテレビ)が一気に普及しました。佐藤内閣のときでした。

そして今回が3番目です。しかし、1番目の「いざなみ景気」、2番目の「いざなぎ景気」と比べると、その中身は段違いに低レベルです。

なぜでしょうか?

日本のリーディング・カンパニーのトヨタが給料を上げないからです。過去15年間のうち半分の8年間はベースアップゼロでした。ではトヨタにお金がないのかというと、そんなことはありません。年6,000億円もの株主配当をしています。従業員7万人に月1,000円のベースアップをしても8億円、月5,000円のベースアップをしても42億円です。6,000億円の1%未満です。

トヨタが給料を上げなければ、後に続く企業が上げるわけがありません。

景気拡大局面では企業が賃上げをし、個人消費が回復して経済のサイクルがうまく回るのが本来の姿です。

リーマンショックがトラウマになっているのかもしれませんが、トヨタを始めとする企業が、給料を含む固定費を抑え、内部留保を増やし、配当だけはしっかりとばら撒くという、従業員ではなく株主の方を向いた経営を続けています。

日本全体のサラリーマンの給料が増えないので、消費が伸びるはずがありません。

ですから、豊かになっているという実感がまるでないのに、なぜか景気動向指数だけが少しずつ伸びているという不思議な現象が起こるのです。

今回の景気拡大がこのまま今年9月まで続けば58か月となり、いざなぎ景気を抜き、戦後2番目の長さになります。

まったく実感のない好景気です。

2017.06.18
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