3月下旬にNHKテレビで、鹿児島市のまちづくり団体が主催する「移住ドラフト会議」開催の様子を放送していました。途中から見たのですが、これは妙案!と思いました。
移住ドラフト会議とは、平ったくいうと、移住希望者と移住者受け入れ団体とのお見合いイベントです。移住者受け入れ団体は、企業や地方公共団体などです。
ドラフト会議の進め方は、移住希望者があらかじめ提出した履歴書、希望などをもとに移住受け入れ団体が移住希望者のひとりを指名します。指名が重なった場合には、プロ野球のドラフト会議のようにくじ引きになり、当たりくじを引いた団体が独占交渉権を獲得します。
このドラフト会議には、若い世代の人口流出に悩む宮崎県日南市の地域振興課の人が参加していました。日南市は、定年退職後、悠々自適に暮らす人たちではなく、日南に住んで、そこで働いてもらえる若い世代の人たちを求めていましたが、かなりハードルが高く厳しいです、と話していました。
最終的には、地域を活性化することが目的ですので、人口を増加させなければいけないのですが、まずはその地域の状況をいろいろな人に知ってもらうことが大切です。そのためには、注目度の高いドラフト会議を開催することは、とても有効なやり方だと思います。
人口減少に悩む地域は全国各地にあります。東京でも、多摩西部の人口減少は深刻です。人口が減れば、電車の利用客も減るのでダイヤ改正のたびに運転本数が減り、それが人口減少に拍車をかけるという悪いサイクルに入っていきます。
団塊の世代が高齢化し、多摩ニュータウンはゴーストタウン化しつつあります。そのような悩みを抱える地域にとって、鹿児島で行われた移住ドラフト会議は、とてもいいヒントになると思います。
2017.06.02