私は、ドアの前に立ったとき、このドアは押せばよいのか引けばよいのか、そのつど一瞬立ち止まって確かめるのが習慣になっています。
日本の住宅の場合、玄関から家の中に入るドアは、ドアを引いて中に入る「外開き」が多いようですが、廊下から部屋の中に入るドアは、逆にドアを押して中に入る「内開き」が多いようです。
また、トイレのドアは、ドアを引いて中に入る「外開き」が多いようです。
建築設計事務所によると、ドアを押すのか引くのかを決める基準は、ドアを挟んで床面積の狭い方から広い方にドアが開くのが基本のようです。
この基本の考え方で我が家のケースを見ると、和室はふすまなので別として、洋室は、押して入る「内開き」が3つ、引いて入る「外開き」が2つで、設計の基本通りになっていないことがわかりました。
トイレは引いて入る「外開き」が2つです。
トイレのドアは、1980年代までは押して入る「内開き」が主流だったそうですが、トイレの中で人が倒れたときに外から助け出すことができなかった、という問題が発生したため「外開き」に変わったそうです。
しかし、公共施設のトイレの場合は、押して中に入る「内開き」がほとんどです。その理由は、「外開き」のドアを勢いよく開けると人にぶつかって危ないこと、「内開き」であれば、誰かが入ろうとしてもパッと手で押さえることができること、この2つが理由のようです。
時々、身体を不自然によじらないと外に出ることのできない窮屈なトイレを見かけますが、このような理由からのようです。
かつて、どこかの映画館で火災が発生して停電になり、大勢の客がドアの前に折り重なって大惨事になったことがありました。このときのドアは「内開き」でした。みんなドアのところに殺到し、ドアを開けられなくなったためです。この場合、客が避難する方向に開く「外開き」にすべきだったのです。
このようにドアは合理的な方向に開くべきです。
2017.05.11