トランプ政権が考えている「レッドライン」、すなわち「越えてはならない一線」は、とりあえずは「6回目の核実験」と「ICBM発射」です。
これを北朝鮮が強行したとき、米軍はどのような軍事行動をとるのでしょうか?
普通に考えると、基本になるのは、すでに作成済みの「作戦計画 5015」です。コード50は朝鮮半島を意味し、コード15は排除を意味します。つまり「金正恩斬首作戦」です。
もし、長期戦になってしまうと、韓国を含む朝鮮半島の一般市民を大勢巻き込むことになりますので、米軍は短期間で決着をつけることを考えているはずです。
トランプ政権が、この「作戦計画 5015」にゴーサインを出すと同時に、原子力空母と原子力潜水艦が朝鮮半島海域を封鎖し、ステルス戦闘機やステルス戦略爆撃機などで北朝鮮の軍事施設 約700か所のうち、北朝鮮軍の指示命令系統に致命的な打撃を与える数か所の軍事施設に絞って一気に破壊します。
攻撃の対象は、北朝鮮の軍事施設と金正恩政権の心臓部、突き詰めて言うと、金正恩ただひとりです。
2011年5月に、ウサマ・ビン・ラディンの殺害を遂行したのと同様、米海軍特殊部隊の Navy SEALs が、一気に金正恩政権の心臓部を目がけて急襲し「金正恩斬首作戦」を遂行することになります。
このようにうまくいくとよいのですが「金正恩斬首作戦」が失敗したときは大変です。北朝鮮が反撃に出て、ソウルが火の海になるかもしれません。日本も平和ボケしている場合ではありません。
アメリカはいくつもの選択肢を持っていて、それはすべて今後の北朝鮮の行動次第です。
しかし、北朝鮮がレッドラインを超えたとしても、アメリカは、なかなか先制攻撃に踏み切れません。
それは、アメリカが軍事的に金正恩政権を倒す力があることは明らかですが、北朝鮮が無抵抗のまま崩壊することは考えられず、必ずや反撃に出るからです。そのときの被害の大きさを想定すると、なかなか先制攻撃に踏み切れません。
ここが重要なポイントです。
2017.04.17