中国は、北朝鮮の核・ミサイル開発には反対ですが、北朝鮮はそれに応じません。また、在韓米軍のTHAAD配備にも反対ですが、米韓はそれに応じません。
中国にとっては、北朝鮮がずっといまのままでいてくれるのが都合がよいので、すべて話し合いで丸く収める方向に持っていきたいと考えています。
ですから、北朝鮮に対する経済制裁にしても、国連安保理やアメリカからの一層の制裁要求に対し、のらりくらりと、さじ加減を調整しながらやっています。
もし北朝鮮が6回目の核実験をしてしまえば、トランプ政権はすぐさま軍事行動に移る可能性があります。しかし、その前に、中国に対して、地下パイプラインを通じた年間50万トンの原油供給停止を強く迫ることになると思います。
原油供給がストップすれば、北朝鮮は数か月のうちに国内経済がマヒし、大混乱になり、難民問題が発生します。
金正恩政権は、戦わずして屈するか、戦って屈するか、という選択を迫られることになります。
北朝鮮は、それを 中国からの「宣戦布告」と受け取り、暴発を招くことになるかもしれません。
そのときの矛先がどこに向くかですが、私は、中国ではなく、アメリカか、その同盟国の韓国、日本ではないかと思います。
そのように考える理由は、北朝鮮にとって中国は数少ない友好国のひとつであること、中国に力で北朝鮮の息の根を止めさせたのはアメリカであること、この2つです。
中国が自らの手で北朝鮮の息の根を止めるのは、国連・アメリカなどからの外圧をかわし切れなくなり、北朝鮮を見捨てたときだけです。
そもそも中国には、北朝鮮を陰ながら支援するつもりはあっても、自らの手で北朝鮮の息の根を止めるつもりはさらさらないと思います。
2017.04.16