金正男さん殺害で一気に動き出すかに見えた朝鮮半島情勢も、マレーシア政府が北朝鮮の「人質外交」に屈し、北朝鮮の国家ぐるみの犯罪捜査が行き詰まり、事件の全容解明は事実上不可能になってしまいました。
2011年12月、金正日の死去に伴い、2012年4月に金正恩が北朝鮮の最高指導者になってから5年になります。私は、金正恩体制になったころから、北朝鮮の動向に関心を持ち、メディアに小さく載る北朝鮮関係筋、中朝関係筋や脱北者からの情報に注意深く目を通していました。
そして、金正恩体制になって3年経ったころ、いまからちょうど2年前、北朝鮮はいずれ崩壊する、そしてその崩壊の時期は近い、と確信するようになりました。
そのころから、私は、ことあるごとに身近な人に北朝鮮の崩壊が近いよ、と話していました。まだマスコミであまり朝鮮半島情勢が報じられていなかったころでしたので、そもそも国家が倒れるなんて信じられないと考える人が多かったのですが、私は、北朝鮮は、崩壊するかしないかの問題ではなく、いつ崩壊するかの問題だと確信していました。
米国、中国、韓国、日本の政府も、数年前から、北朝鮮の崩壊は十分にあり得るものとして捉え、その前提で、崩壊後の対応を検討していたはずだと思います。米中首脳会談、日中韓首脳会談が行われるとき、新聞に載る記事は表向きのつまらない話だけです。
しかし、本当にマスコミで報道されているような議論しかしていないのでしょうか?
そんなことはあり得ないと思います。朝鮮半島の火薬庫で、北朝鮮が崩壊しそうになったときの対応、北朝鮮が崩壊した後の対応について意見交換し整合していないはずがないのです。政府にも話せることと話せないことがあり、新聞にも書けることと書けないことがあります。
大本営発表情報だけを信じていると、結果を知らされるだけです。国際情勢を正しく読めたときには、何もかも、事前に想定していた通りに展開していきます。そういうものだと思います。
2017.04.11