2015年12月、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的」な解決の道筋を確認し、日韓合意が成立しました。
しかし、1年後の昨年12月、韓国・市民団体が釜山の日本総領事館前に少女像を設置したとき、韓国政府にはそれを撤去する力はありませんでした。
日本は、それに抗議し、駐韓大使、釜山総領事を約3か月間、一時帰国させました。約束を守らない韓国に対して、多くの日本人は怒りました。韓国人の中にも「私は韓国人ですけど、これは韓国が悪いと思います」と話していた人もいました。
しかし、私には、この問題について日韓間でまったく嚙み合っていない議論を続けているようにしか見えないのです。
ビジネスの世界でもそうですが、韓国人は契約や約束に対する意識が希薄です。もともと、韓国人は、いちど締結した契約を履行しなければいけない、約束を守らなければいけないという義務感をあまり持っていません。約束をしたのは過去のこと、その後状況が変化したのだから、守れなくて当然、仕方がないという考え方です。
ですから、国家間の合意を反故にすることに対しても、たぶん、まったく罪悪感を感じていないのです。韓国にとっては、国家間の合意のキャンセルも、飲み会の約束のキャンセルも同じ次元です。
逆に、韓国は、なぜ日本が約束を守らない韓国に対してそんなに腹を立てているのか、疑問に思っているかもしれません。
少女像にしても、韓国政府は、市民団体がいうことを聞かないからどうしようもない、そんなに少女像を撤去したいのなら、日本政府が直接、韓国の市民団体を説得すればいいじゃないかと平気で言いました。
この発言を聞くと、韓国政府はどこにいってしまったの?と思うのですが、韓国には、罪刑法定主義を否定する「国民情緒法」という世にも不思議な不文律があるのです。
また、韓国には、伝統的に自分たちにとって都合の悪いことからは目を背け、権利だけは強硬に主張する傾向があります。自分たちは約束を守る責任感に乏しいのですが、相手に対しては約束を守るように強く迫ってきます。
当然、このような国家は、国際社会では信用されず、相手にされません。しかし、日本の場合は、北朝鮮の核・ミサイル開発問題で、安全保障上、韓国と連携する必要がありますので、そうも言ってられません。
以上のように、韓国との間で、合意、契約、約束をしたという事実は、それが履行されるということをなんら保証するものではないということです。ここをしっかり認識しておかないと、いつも韓国に対して腹を立てることになります。
韓国が約束を守らないというのは、事前に十分に予測できていたことでした。
将来、日韓間でどんな合意がなされても、後になって、誰かが民衆を扇動して蒸し返します。日韓問題は、韓国が国家として存続する限り、永久に解決されることはないと考えた方がよさそうです。
今回と同じようなことは、この先、何度も何度も繰り返されると思います。
2017.04.06