栃木県宇都宮市に多気不動尊(たげふどうそん)というお寺があります。822年創建の真言宗智山派の寺院で、北関東36不動尊霊場18番札所になっています。
私は、年に一度、このお寺で護摩を焚いていただきお札(おふだ)を受け取っていて、それが20年ぐらい続いています。
護摩壇(ごまだん)の中央にある炉の炎にかざして少し焦がしたお札は本尊不動明王の分身で、ありがたいお札になります。
護摩祈祷料は、3,000円、5,000円、1万円、2万円、3万円、5万円以上と数種類あり、お願いごとは、家内安全、交通安全、身体健全など22種類あります。
祈祷料が3,000円であればお願いごとはひとつ、5,000円以上は一律2つとなっています。我が家は例年ひとり5,000円でお願いしています。
護摩祈祷は3人のお坊さんがかなり気合いを入れて太鼓をたたき法螺貝(ほらがい)をふきながら、交通安全や開運成就などの願意(がんい)の言葉の中に、護摩を申し込んだ人の名前を交えてお祈りします。
春になって少し暖かくなってきたので、きょう多気不動尊に行ってきました。今回は、私たち夫婦2人の前に、母親と息子風の2人連れが待っていました。祈祷が始まったので、その口上を注意深く聞いていたところ、なぜか、他の2人連れの親子の分しか祈祷していないようなのです。
変だなと思い、祈祷が終わってから寺務所で尋ねたところ、そんなことまで説明させるのかという表情を浮かべ、苦笑しながら、祈祷の中に名前、願意を入れるのは、ひとり1万円以上の方だけですよ、と言われました。
つまり、祈祷料をひとり1万円払った人が2人、ひとり5,000円払った人が2人いた場合は、1万円の人たちの分だけを祈祷し、5,000円の人はおまけで、ただそこに同席するだけということになります。
なんとまぁ露骨な。仏の道も算術かぁ!?
2017.04.05