私は長年中国ビジネスに携わってきたこともあり、1979(昭和54)年以降、中国に仕事で32回渡航し、現地で中国を肌で感じたり、現地に住む日本人や中国人から、住んでいる人でなければ経験できないような話を聞く機会もありました。
そのようなこともあって、中国についての話になると、思わず時間を忘れて話し込んでしまうこともしばしばです。
中国をざっくりと理解するうえでは、基本的な数字をいくつかおさえておくとよいかと思います。
中国の人口は13億7,000万人、中国共産党一党独裁の国です。共産党員の多くは中国にある一般の国有企業で働いています。企業の中で誰が党員かについては、事務所のどこかに党員の名前と顔写真が貼られている掲示板がありますので、すぐにわかります。
それでは、どういう流れで党員になるのかというと、早い人であれば大学卒業のころに党から入党の誘いを受ける人もいます。また、ある程度の規模の企業で、ある程度の年齢になって幹部になったころに党から誘いを受ける人もいます。もちろん、その誘いを受けてもいいし、断っても問題ありません。
人口13億7,000万人に対して、中国共産党員は約8,900万人、党員の比率は約6%です。つまり、ひと握りの6%の人が残りの94%を支配している構造です。ですので、力で一般大衆を抑え込まなければならず、そもそもリスクをはらんだ構造になっています。
中国の内政外交問題を考えるうえでは、まず、この構造を知ることが重要かと思います。
2017.04.02