北朝鮮の核実験やICBM発射実験は、金正恩からの指令があれば、いつでもできる準備ができています。
きょうは朝鮮人民軍創建85年です。マスコミはいまにも北朝鮮からミサイルが飛んでくるのではないかと騒ぎ立てていますが、私は、いまの状態で北朝鮮が核実験、ICBM発射実験、あるいは、アメリカの同盟国へのミサイル発射が行われる可能性はゼロに近いと思っています。
アメリカは、原子力空母「カール・ビンソン」を朝鮮半島に向かわせ、空母のほかに、駆逐艦、巡洋艦、原子力潜水艦、補給艦を含む空母打撃群を編成し、北朝鮮に対して軍事的圧力を強めています。また、北朝鮮経済のアキレス腱、原油供給のカードを握る中国は原油供給制限を示唆しています。そのような中で、北朝鮮が核実験を強行することはないと思います。
この先、4月末に米韓合同軍事演習が終了し、引き続き日本海で米原子力空母と海上自衛隊との共同訓練が始まっても、北朝鮮が核実験やICBM発射実験をすることはないと思います。
米軍が軍事行動を起こすかどうかのぎりぎりのラインを見極めながら、大丈夫だろうと思われる範囲でしか行動しないはずです。
北朝鮮が手を出せば、最終的にはボコボコにされることが分かっているので、しばらくは我慢すると思います。少なくとも5月9日の韓国大統領選までの動きはないはずです。両親が北朝鮮からの避難民で、北朝鮮への思い入れが強い左派最大野党「共に民主党」の文在寅(ムンジェイン)前代表が当選するかしないかを見極めるまでの動きはないはずです。
文在寅が当選すれば北朝鮮にとって良い方向に動き出す可能性があります。また、下手に動くと北朝鮮寄りの文在寅の足を引っ張り、文在寅を猛追している野党第2党・中道左派「国民の党」の安哲秀 (アンチョルス) 前代表に票が流れます。韓国大統領選の結果が判明する5月9日までは様子見でおとなしくしているはずです。
ですから、誰もが北朝鮮が何かをするのではないかと予想する朝鮮人民軍創建85年前後にはなにも動きがないと思います。
しかし、黙っているのでは悔しいので、いろいろ過激なことを口にするでしょう。口先だけの威嚇は続くでしょう。臆病な犬がシッポを巻いて後ずさりしながら吠え立てるのと同じで、金正恩は内心かなり恐れているのだと思います。
中距離弾道ミサイルの発射実験ぐらいであれば、この先、何度もするかもしれません。それはアメリカの逆鱗に触れないことを知っているからです。北朝鮮が本当に動くのは、韓国大統領選の後のことで、しかも、周りがもう北朝鮮は動かないだろうと思ったその時だと思います。
2017.04.25