忍者ブログ

酒興放論

お気楽に人生を楽しんでばかりいるとバカになってしまうので、せめて1日に1回ぐらいはまとまったことを考えてみようというところから始めたお気楽ブログで、お酒を楽しみながら言いたいことを言うという趣旨です。ふだん、飲み友だちと居酒屋で酒を酌み交わしながら話し、話した先から消えていくような、1話1~2分のたわいもないお話です。心境が変化したら、ある日突然やめるかもしれません。

第165話【政治】小池都知事人気の理由を考える

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

第165話【政治】小池都知事人気の理由を考える

このところ政治の季節が終わったせいか、小池百合子・東京都知事の姿をTVで見かける機会が減ってきていますが、相変わらず人気があるようです。

「都民ファーストの会」が人気があるのではなく、小池さんという個人が人気があるのだと思います。

「都民ファーストの会」は7月の都議選で圧勝し、自民党、民進党は大きく後退しました。その流れに便乗して若狭勝・衆院議員は「日本ファーストの会」を設立しましたが、影が薄く、このままでは自民党批判票の受け皿になるような気がしません。それは小池さんが直接関与しているわけではないからです。

そもそも「ファースト」という言葉には排他的なイメージがつきまといます。8月21日の毎日新聞・朝刊に「ファースト」を使ったいくつかのケースが紹介されていました。

まずは「アメリカ・ファースト」、これはトランプ大統領が掲げた経済・外交・安全保障政策です。次に「ブリテン・ファースト」、これは、2016年の英国国民投票で、欧州連合(EU)離脱派を主導した「英国独立党」のスローガンです。そして「オーストリア・ファースト」、2016年のオーストリア大統領選での極右政党「自由党」のスローガンです。そして「ニュージーランド・ファースト」、先住民・マオリ族の血を引く政治家が1993年に設立した政党のスローガンです。

このように、いくつかの「ファースト」がありますが、アメリカ、イギリス以外はいずれもマイナーな事例です。

小池さんは、アメリカ大統領選でトランプ候補が成功したように、7月の都議選で「ファースト」という言葉を使うことによって、うまく「ポピュリズム」を利用しました。

「ポピュリズム」を「大衆迎合主義」と言ってしまえば、なんだかイメージが悪いのですが、民主主義の選挙で勝利することは、大衆の心をつかみ受け入れられることですから、「ポピュリズム」でなんら悪いことはありません。

それでは、なぜ小池さんは人気があるのでしょうか?

それは、人の心をつかむ話し方ができる人だからです。話の中身ではなく、話し方がうまいのです。

では、うまい話し方とはどんな話し方なのでしょうか?

小池さんと蓮舫さんを比較してみるとわかりやすいかもしれません。

小池さんは、軟らかい表情で、やや低めの落ちついた声でゆっくりめに、間を取りながら話します。ですから、話す内容がわかりやすく、聞く側に安心感を与えます。そして、頭のいい人、信頼できる人、この人の言うことであれば大丈夫、というイメージが雪だるまのように膨らんでいきます。蓮舫さんとは正反対です。

その結果、小池さんの場合は、何を話してもよい印象を持たれ、小池さんの周りには次々と人が集まってきました。そして、蓮舫さんの場合は、何を話しても悪い印象を持たれ、蓮舫さんのもとから次々と人が去っていきました。

ひとつの象徴的なできごとがありました。

昨年12月の記者会見で、東京オリンピックの施設の見直し問題を巡り、記者のひとりが「見直しをしても、結局、従来の計画と何も変わらず、大山鳴動して鼠一匹と言いますか、・・・」と話しだした瞬間、小池さんの表情が一変しました。

しかし、すぐさま、その質問を遮る形で、笑みを浮かべながら「それは失礼なんじゃないですか?」と語気を強め、その発言に対する不快感を示しました。そのため、一瞬、その場の空気が凍りつきました。

そして、小池さんは「鼠どころか、大きな黒い頭の鼠がいっぱいいたことがわかりました」と続け、最後には「これから頭の黒い鼠をどんどん探していきたいと考えております。むしろジャーナリズムとして、そちらの方を研究されてはいかがでしょうか?」と皮肉で締めくくりました。

このように相手が発した言葉を使いながら、機転を利かせて、やんわりと切り返すことのできる政治家はなかなかいません。当意即妙な切り返しです。

だから人気があるのです。

2017.09.12
PR

コメント

プロフィール

HN:
edamame
性別:
非公開

P R