成田空港や関西国際空港など日本の空港には、中国人旅行客相手の白タクがたくさんいます。このような白タク業者は在日中国人で、自家用車を使って商売をしています。
ある中国の旅行会社のアプリには、日本の首都圏を中心に3,000人以上の白タク業者が登録されていると言われています。
中国人旅行客は、その旅行会社が運営する送迎サービスのスマホアプリで、希望日時、出発地、目的地を選択すれば、その会社から日本の白タク業者に連絡がいき、その旅行客の到着時刻に合わせて白タクが空港で待機することになります。
白タク業者はみんな中国人ですので、言葉の問題もなく、旅行客にとって安心で、料金がタクシーの半分ぐらいと安く、しかもスマホで支払うことができるので便利です。便利で安いので中国人白タクを利用する人がたくさんいます。
しかし、これらの白タク業者は日本では営業許可を取っていませんので、道路運送法に違反しています。日本で税金も払っていません。法律に違反はしているのですが、警察の職務質問を受けたとしても「中国に住んでいる友だちだ」と答えれば、それ以上の追及ができず、結局、警察の取り締まりから免れることができます。
白タクは、保険に入っていない場合がほとんどだと思いますので、事故が発生したときには面倒なことになります。
以上のように、白タクの実態把握をすることも、取り締まりをすることも難しいのが現状です。
中国人白タクがいるのは空港だけではありません。宇都宮駅東口周辺には、中国人が経営しているスナック、バー、クラブなどがたくさんあり、どの店でも中国人が働いています。営業時間が午前1~2時のところが多いため、毎晩、店の従業員は、店じまいした後で白タクを使って自宅に戻ります。常連客であれば白タクを紹介してもらえることもあります。
ひとりの中国人の客が利用する白タクは2人ぐらいのようです。日本に住む中国人同士の相互扶助の精神はかなり旺盛で、次第に「老朋友=ラオパンヨウ」、つまり、古くからのお友だちのようになり、「料金」から「謝礼」に変化します。このように、中国人白タクがなくならないのは、安くて便利なことのほかに、中国人の同胞意識もあるのです。
空港での白タクの話に戻ります。
もし、日本人が個人で海外旅行をしたとき、現地の空港に、送迎と旅行ガイドを兼ねた日本人の白タクがいたら、利用したくなりませんか?
もし利用したいということであれば、中国人白タクは悪いとばかりは言えません。
2017.09.05