人は、何か問題に直面したときには、自分の過去の経験に照らし合わせながら判断していると言われています。
食事の好みにしても同様です。
ニンジンやピーマンが嫌いな人は、子どものころにニンジンやピーマンを食べられなかったという嫌な経験に照らし合わせて「嫌い」と判断しています。
また、ものの考え方が確立していない子供時代には親の考え方の影響を受けることも多く、それが自分の経験の中に刷り込まれることもあります。
学校に通い出すようになると、さまざまな経験をするチャンスが増え、いずれ社会人になります。
社会人になると、大きなことから小さなことまで、日々、いろいろな場面で判断をする機会が増えます。
そして、過去の経験に照らし合わせながら判断するわけですが、基本的に、経験の豊富な人の方が経験の乏しい人よりも正しい判断ができます。
その経験の中には、自ら経験したこと、過去に経験した人から聞いた話、書籍、インターネットなどからの情報も含まれます。
ですから、正しい判断基準を持ち、正しいものの考え方ができるようになるためには、絶えず経験の範囲を増やすことが必要になってきます。
これを続けるかどうかで後になって大きな差になって表れてきます。
同じ年齢の人でも、30年分の経験をした人と、1年分の経験を30回繰り返しただけの人との、人としての差は歴然としています。
経験の幅を広げる第一歩は何事にも関心を持つことだと思います。
居酒屋で、自分と異なる人生を歩んできた人たちと情報交換をしたり議論したりするのも、新しい知識を吸収するひとつのよいきっかけになるかもしれません。
しかし、新しい知識を吸収しただけでは借り物の知識ですので、あまり役に立ちません。
自分でよく考え、自分の考え方を持つことを通じて経験の領域にまで落とし込むことが必要です。
このような作業を続け、自分の経験のデータベースを日々更新していけば、少しずつ思考力も鍛えられていき、さらに正しい判断ができるようになると思います。
2017.08.27