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酒興放論

お気楽に人生を楽しんでばかりいるとバカになってしまうので、せめて1日に1回ぐらいはまとまったことを考えてみようというところから始めたお気楽ブログで、お酒を楽しみながら言いたいことを言うという趣旨です。ふだん、飲み友だちと居酒屋で酒を酌み交わしながら話し、話した先から消えていくような、1話1~2分のたわいもないお話です。心境が変化したら、ある日突然やめるかもしれません。

第106話【中国】劉暁波さんを巡る展開は変なことだらけだなぁ!

13日、中国の民主活動家でノーベル平和賞受賞者の劉暁波さんが遼寧省・瀋陽の中国医科大付属第一医院で亡くなりました。

ここ数日間の報道で劉暁波さんの容態がかなり悪いことは知っていましたが、あまりに展開が急だったので驚きました。

この1か月あまりの劉暁波さんを巡る展開は変なことだらけだなぁと思います。

①末期がん発見時期:
 
5月31日の定期健康診断で初めて異常が見つかり、その時にはすでに末期の肝臓がんだったこと。なぜ末期がんが定期健診までに発見できなかったのでしょうか? これは事実でしょうか?

②容態急変:
 
7月8日に劉暁波さんを診察した米独の医師が9日に「国外での治療は可能」とする見解を出した直後に、病院側が「危篤状態」と発表したこと。

③動画投稿:

中国当局がインターネットに米独の医師が中国側の治療を称賛する部分だけを切り取った動画を投稿したこと。中国の対応の正当性を強調するためでしょうか?

④治安当局主導:

これに対し、10日、在中国ドイツ大使館が「中国治安当局主導」と批判したことは、上記動画が中国に都合よく編集されていることを示していると思います。

⑤中国当局の厳重な監視下での最期:

入院病棟の腫瘍内科のフロアに中国当局が居座って、見舞いに来た劉暁波さんの知人を追い払って面会させず、中国当局の厳重な監視下で息を引き取ったこと。

⑥消息を絶った支持者:

危篤状態の劉暁波さんを見舞うため瀋陽入りした活動家6人が消息を絶ったこと。
公安に連行されたのだと思います。

⑦人権か内政干渉か:

欧米諸国が劉暁波さんの家族が希望している国外での治療を実現するよう中国側に求めたとき、中国外務省は「中国の内政に干渉しないでほしい」と拒否したこと。

⑧海外メディアに対する厳しい取材規制:

病状については、病院の近くのホテルで、中国当局があらかじめ準備した文書を読み上げるだけの説明会が開かれただけだったこと。

⑨海外メディアの記者の宿泊拒否:

中国当局の指示により、病院周辺のホテルでは海外メディアの記者に対する宿泊拒否が相次いだこと。

⑩情報統制:

中国当局が、TV・インターネットなどで情報統制を敷き、海外メディアの報道を国民の目に触れさせない措置をとったこと、

など、中国ならではの対応がとられました。
 
2010年のノーベル平和賞は獄中での受賞となり、授賞式にも出席できず「私自身が中国で続いてきた文字獄(言論弾圧)の最後の犠牲者となることを望む」という劉暁波さんのメッセージが代読されました。

投獄中にノーベル平和賞を受賞した人が自由を奪われたまま亡くなったのは、ナチス・ドイツに立ち向かい1938年に死亡したドイツのジャーナリストで平和運動家のカール・フォン・オシエツキーさんに次いで2人目です。

中国当局が劉暁波さんに対して異常とも思える対応をとった背景には、民主化運動のシンボルとなっている劉暁波さんの闘病をきっかけにして、国内世論が盛り上がり、それが中国当局への批判に変化するのを恐れた結果だと思います。

民主活動家の中で習近平政権が恐れるのは、国外で活動する人たちではなく、国内にとどまり国内で影響力を持ち続ける活動家です。

劉暁波さんは、中国当局から、過去に何度も出国要求を受けていましたが、影響力が薄れることを嫌い、それを一貫して拒み続けてきました。

天安門事件から28年、08憲章から9年、その間ずっと中国当局が情報統制を敷いてきたため、中国に住む中国人で劉暁波さんの名前を聞いてもピンとこない人も増えてきているようですが、数日前、日本に住む中国人に劉暁波さんのことを尋ねてみたら「知っています」という答えが返ってきました。

やはり、中国当局が情報統制できる範囲は中国国内に限られるようです。

これで、習近平政権が恐れる民主活動家の巨人がひとりこの世を去りました。

中国当局は、今後、劉暁波さんの墓が支持者の集まる拠点になることを警戒し、現在、遺族に対して、海に散骨するよう圧力を加えているようです。
 
2017.07.15
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