私が巨人の試合を見ていて特にイライラするのは、センター返しの打球が巨人の投手の足元を次々と抜け、二遊間を抜けてセンター前のヒットになるときです。
なぜ手を伸ばしてボールを取りにいかないのか不思議でなりません。
1試合で、フェアゾーンに飛ぶ打球がいくつあるかというと、仮に、7安打、3四死球、5三振、併殺ゼロ、と想定すれば、3アウト/回 × 9回-5三振+7安打=29打球となります。
野手は9人ですから29打球 ÷ 9人=(3打球+アルファ)/人 で、1人平均3~4つ打球を処理していることになります。しかし、打者はセンター返しを狙うことが多いので、投手の守備機会はもう少し多めで1試合で5~6回はあると思います。
これがすべてアウトになれば勝つ確率が高くなるし、すべてヒットになれば負ける確率が高くなります。もし走者が一塁にいるときにピッチャーライナーを捕れば、併殺も期待できます。
私の印象では、いまの巨人は他のチームと比較すると、相対的に守備が下手な投手が多いようです。簡単に足元をゴロが抜けていきます。
1990年代の巨人には桑田投手がいました。守備が抜群によく、飛びついて手が届く範囲の打球であれば、ほとんどアウトにしていました。
かつて東都大学リーグでプレーし、その後、社会人野球でプレーしていた知人に、なぜ投手は守備がヘタなのかと尋ねたことがありました。
それに対し、基本的に投手には危ない守備練習はさせない、怪我をすると困るから、また少年野球では打球が来たら逃げろと指導している、という答えが返ってきました。
ふだんから実戦的な守備練習をしていなければうまくなるわけがないし、いきなり試合で生きた打球を捕れと言われても無理があると思います。
それにしても、もったいない話です。投手の守備力の違いが勝敗をわけることだってあります。
現在、ほとんどの投手の守備がヘタな巨人でひとりだけ守備のうまい投手がいます。若い田口投手です。おとといの試合でも無死一三塁のピンチのときに、痛烈な投手ライナーをバックハンドで捕球して併殺で切り抜けました。現在、田口はセリーグで最多勝、防御率トップです。
やはり投手は守備がよければ自分を助けるのです。同じグラウンドに立っているのですから、投手も9人目の野手として守らなければいけません。防護服を着てでも、ふだんからピッチャーゴロ、ピッチャーライナーを捕る練習をすべきだと思います。そうすることによって、自然に勝ち星が増えていくはずです。
2017.07.06