東京の大手タクシー会社の「日の丸交通」がロボットベンチャー企業の「株式会社ZMP」と無人運転タクシーの実用化に向けて提携しました。
現在は無人運転タクシーの営業は認められていませんが、2020年の東京五輪に向けて法整備が行われると、3年後には都内を無人運転タクシーが走り回ることになるかもしれません。
無人運転タクシーはタクシードライバー不足の解消に一役買うことになりますが、3年後、果たしてどうなるのでしょうか?
無人運転タクシーが実用化されてもドライバーが運転する従来からの有人タクシーがなくなるわけではなく、利用客が従来のタクシーか無人運転タクシーかを選択できるようなアプリの開発を進めるようです。
私は、以前、身近なところで自動運転技術に携わっていた人がいた関係で、自動運転について多少は知っていますが、それでも、本当に問題なく実用化される時代がくるのか、いまだに半信半疑です。
たとえば、
・無人運転タクシーが安全に走行できるための交通環境を整備できるのか?
・事故発生時の責任と対応はどうなるのか?
・無人運転タクシーに乗った後で用事を思い出し行き先を変えたいときにはどうなるのか?
・酒を飲んで乗車し目的地に着く前に眠り込んでしまったときはどうなるのか?
・無人運転タクシーは路地裏まで連れていってくれるのか?
・乗車してからクレジットカードを持っていないことに気づいたときにはどうなるのか?
・海外旅行からの帰りに重いスーツケースをトランクに入れるのは利用者がやるのか?
・重くて持ち上げられないときにはどうなるのか?
・乗降時介助が必要なお年寄りは乗れないのか?
などなど。
このように、3年後に東京都内のあちこちを無人運転タクシーが問題なく走り回る光景をどうしてもイメージできないのです。
ところで、東京都内のタクシー会社の名前が出た流れでもうひとつ。
東京都内のタクシー大手4社は、昔から「大日本帝国」と呼ばれている ことをご存じでしょうか?
この4社とは、大和自動車交通、日本交通、帝都自動車交通、国際自動車のことで、それぞれの頭文字の「大」「日本」「帝」「国」をつなげると「大日本帝国」になります。
第二次世界大戦末期の1944(昭和19)年の暮れ、輸送能力は重要な戦力のひとつだったため、陸軍、海軍の意向で、当時東京で50数社あったハイヤー・タクシー会社を4社に集約することになりました。
そして、1945(昭和20)年に相次いで合併し4社に集約されました。
50数社の中から、なぜ、この4社を選んだのでしょうか?
それは、戦況が悪化していたころでしたので、戦意を高揚しようという意思が働き、つなげると「大日本帝国」になる4社を選んだのではないか と思います。
第二次世界大戦末期にいったんは4社に集約されましたが、戦後、また次々とタクシー会社が誕生し、勢力図も変化しました。
現在のタクシー保有台数の順でいえば、
1.東京無線、
2.チェッカーキャブ、
3.日本交通、
4.国際自動車、
5.大和自動車交通、
6.東都自動車、
7.日の丸自動車、
8.グリーンキャブ、
9.帝都自動車交通、
になるみたいで、旧・大日本帝国4社のシェアは約2割のようです。
2017.07.02