忍者ブログ

酒興放論

お気楽に人生を楽しんでばかりいるとバカになってしまうので、せめて1日に1回ぐらいはまとまったことを考えてみようというところから始めたお気楽ブログで、お酒を楽しみながら言いたいことを言うという趣旨です。ふだん、飲み友だちと居酒屋で酒を酌み交わしながら話し、話した先から消えていくような、1話1~2分のたわいもないお話です。心境が変化したら、ある日突然やめるかもしれません。

第92話【香港】香港返還20年、香港の自治は風前の灯火

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

第92話【香港】香港返還20年、香港の自治は風前の灯火

1997年7月1日に香港が中国に返還されてから、きょうで20年になります。

香港返還が間近に迫った1980年代、香港の社会主義化を懸念する英国に対して、当時の最高実力者・鄧小平・中央軍事委員会主席は「中国というひとつの国の中に大陸の社会主義制度と香港の資本主義制度が併存してもよい」という「一国二制度」の考え方を示し、続けて「一国二制度はこの先50年は変わらない」と語り、当時のサッチャー英首相を安心させたものでした。

サッチャー英首相も、その考え方を「現実に即した構想」と評価しました。

それがどうでしょう。

香港返還から20年経ったいま、習近平政権は、中国共産党による香港支配を強めています。習近平政権は、中国国内において、人権活動家を弾圧したり言論統制をしたり、もともと、力の政治の傾向が強かったのですが、香港政策においても同様でした。

香港行政長官選挙では、親中派にしか立候補を認めない普通選挙制を導入し、議会では異なる意見を力で封じ、反中派を排除しています。

香港の憲法に相当する 香港基本法には「一国二制度」が明記されていて、香港による自治を認めているのですが、なんと「その基本法の解釈権については中国の全人代常務委員会に帰属する」という条文があるため、中国共産党が思いのままに基本法を解釈し、運用することが可能になっています。

そして、2014年の中国政府白書には「中央は香港に対する全面的管理権を持つ」と明記され、北京による香港支配宣言をしました。

すでに香港当局は親中派で固められ、急速に香港社会から自由が奪われています。香港在住の人たちが次々と香港から姿を消し、その後、中国で拘束されていることが判明しました。香港はいまや、中国となんら変わらないところまできています。

習近平政権の力の政治は、軍事・外交においても同様で、国際社会の批判を顧みず、国際ルールを無視した独善的な理屈をつけて、南シナ海で人工島建設、軍事拠点化を進めたり、東シナ海でガス田開発や尖閣諸島での傍若無人な行動を続けています。

政治においても、軍事・外交においても、共通しているものはすべて「力」です。

香港返還から20年、「中国の民主化」と「香港の中国化」とのせめぎ合いは過去の構図で、いまや「香港の中国化」に向けて走り出しているようです。

現在、香港は中国内の外国のような扱いで、中国からの出入境にはパスポートが必要です。

しかし、いずれ香港と上海との違いがなくなったときには、出入境手続きが不要となり、完全に中国に飲み込まれてしまいます。

香港の若い世代の中には「香港の中国化」を望まない人たちも多く、香港独立論を唱えていますが、国際世論の力を借りてでも、さっさと独立する方がよいと思います。

中国での人権蹂躙に対し欧米各国が批判すると、中国政府は決まって内政干渉だと反発しますが、香港の自治の問題を香港と中国だけにまかせておくと、民主主義維持のための集会が武力鎮圧され、あの天安門事件のような悲劇がまた起こるかもしれません。

2017.07.01
PR

コメント

プロフィール

HN:
edamame
性別:
非公開

P R