日本人が英語を話すときによく間違える事例を集め、面白おかしく書いた本があります。「その英語、ネイティブにはこのように聞こえます」というやつです。
その代表例として、
① "Call me a taxi." と
② "Call me taxi."
があります。
違いは "a" があるかないかだけですが、意味は大きく変わって、①は「私にタクシーを呼んでください」で、②は「私をタクシーと呼んでください」となります。
②は、たとえば、"Call me John." 「私をジョンと呼んでください」と同じ形です。ですから、「私をタクシーと呼んでください」となります。
しかし、ネイティブが②の "Call me taxi." を本当に「私をタクシーと呼んでね」という意味に解釈するのか、ずっと怪しげだなぁと思っていました。
そこで、先日、ネイティブのアメリカ人と酒を飲む機会があったので、確かめてみました。それに対し、その話はアメリカでは小学生でも知っていて「私をタクシーと呼んでね」と解釈する人は誰もいない、アメリカで「タクシーを呼んでください」という意味で、"Call me taxi." と言う人だっている、という答えが返ってきました。
もし、ホテルのフロントで、宿泊客が "Call me taxi." と言ったときに、「ああ、タクシーさん、それでどんなご用ですか?」と尋ねる従業員がいたとしたら、それはただ単に意地悪をしているだけ のようです。
もちろん、正しい言葉を使うことは大切ですが、先ほどの ①、②は、その違いを面白おかしく説明しているだけで、実際のところは「その英語でネイティブが誤解することはない」ようです。
2017.06.26