過去に何度か有名な景気拡大期があり、それが終わったときに「神武景気」とか「岩戸景気」とか、愛称がつけられました。
これを誰が命名したのかというと、政府ではなく証券会社やマスコミが勝手に命名し、それがいつの間にか定着したもので、日本神話に由来するものが多いようです。
1954(昭和29)年から始まった
「神武景気」は、日本の高度成長の幕開けで、
神武天皇以来の好景気 ということで、そのように名づけられました。
1958(昭和33)年から始まった
「岩戸景気」は、所得倍増政策により経済成長率が年平均10%を超え、
景気拡大期間が「神武景気」を上回っていた ことから、神武天皇よりもさらに遡って、天照大神(あまてらすおおみかみ)が天の岩戸に隠れて以来の好景気 ということで、そのように名づけられました。
1965(昭和40)年から始まった
「いざなぎ景気」は、高度経済成長の真っただ中で、
「神武景気」や「岩戸景気」をさらに上回る好景気だったため、天照大神のお父さんで日本列島の生みの親・伊弉諾尊(いざなぎのみこと)から名づけられました。
1986(昭和61)年から始まった
「バブル景気」は、土地や株などの資産価値が跳ね上がった時代でした。
2002(平成14)年から始まった「いざなみ景気」は、戦後最長の景気拡大期間で、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の妹でもあり奥さんでもある伊邪那美(いざなみ)にちなんで名づけられました。しかし、この愛称はあまり定着せず、ただ単に「戦後最長の景気拡大期」とも呼ばれています。
そして、2012年12月に第2次安倍内閣が発足して以来、いまも続いている景気拡大は、まだ名無しの状態ですが、どのような愛称がつけられるのでしょうか?
考え方としては、日本神話ベースで名づけるか、景気拡大の背景ベースで名づけるかのどちらかだと思います。
日本神話ベースの場合 には、私は、「すさのお景気」になるのではないかと思っています。
須佐之男命(すさのおのみこと)は、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、伊邪那美(いざなみ)の息子であり、天照大神(あまてらすおおみかみ)の弟です。
ここ数年で2回出雲を訪れたときに、地元で言い伝えられていた伝説 は次の通りです。
須佐之男命は乱暴者だったため神々がお住まいになる高天原(たかまがはら)から追放され、出雲の地に降り立ったとき、絶世の美女・櫛名田比売(くしなだひめ)に出会いました。
そのとき 櫛名田比売は、8つの頭と8本の尾を持つ大蛇・八岐大蛇(やまたのおろち)の生贄になる寸前 でした。
そこで、須佐之男命は、八岐大蛇に酒を飲ませ、酔っぱらって寝込んだところを襲い退治したため、出雲で評判になりました。
高天原の暴れん坊で「厄介者」だった人が出雲では「人気者」になったのです。その後、須佐之男命は櫛名田比売と結婚して、生まれた息子が、出雲大社の祭神(さいじん)で縁結びの神・大国主命(おおくにぬしのみこと)です。
この景気拡大期に、高円宮家の次女・典子さまと出雲大社権宮司の千家国麿(せんげ・くにまろ)さんが結婚したことでも、「すさのお景気」にプラス1票です。
次に、景気拡大の背景ベースの場合には、味も素っ気もありませんが「アベノミクス景気」だろうと思います。
今回の景気拡大は、実感がなくパッとしない景気拡大ですので、別に名づける必要もないのですが、あえてつけるとすれば、私はこの2つだと思います。
※画像は「出雲大社」です。2度参詣しました。
2017.06.22
