3年半ほど前の2013年12月12日、金正恩の叔父で北朝鮮No.2の張成沢(チャン・ソンテク)国防委員会副委員長は国家転覆容疑で死刑を宣告され、その日のうちに処刑されました。
日本のTVでは、張成沢さんが特別軍事裁判の法廷に連行される画像とともに、処刑の事実だけが報道されました。
しかし、その後、中国政府が意図的に情報を流したものと考えられますが、金正恩が自分の叔父をどのように殺害したのかという詳細が、まず中国とシンガポールの新聞に掲載され、それを20世紀フォックスグループの米FOXテレビが引用する形で報道し、世界中に衝撃を与えました。
それによると、当初は重機関銃で銃殺されたものと考えられていたのですが、実際は飢えた猟犬に噛み殺されたのです。
張成沢さんは、共犯者とされた数名とともに裸の状態で、3日間エサを与えられていない120頭の猟犬の群れの中に放り込まれ、身体中噛み刻まれて瀕死の状態のところを銃弾で蜂の巣にされ、最後は燃やされました。この処刑は1時間ほど続き、その様子を約300人が見守っていたそうです。
韓国の聯合ニュースが複数の北朝鮮消息筋の話として伝えたところによると、金正恩は、叔父の張成沢さんを粛清した後に、張成沢さん一族を根絶やしにしました。
張成沢さんは3男2女の末っ子でしたが、姉とその夫の全英鎮(チョン・ヨンジン)駐キューバ大使は銃殺されました。甥の張勇哲(チャン・ヨンチョル)駐マレーシア大使夫妻も銃殺され、20代の息子2人も処刑されました。このほか、張成沢さんの2人の兄(いずれも故人)の息子や娘、孫に至るまで、直系親族は全員処刑されました。
韓国情報機関「国家安保戦略研究院」は、金正恩がこの4年間で処刑した朝鮮労働党幹部は100人以上にのぼると発表しました。
よく人間のクズのような人を「虫けら」のようだと言いますが、金正恩の場合、そのような例えは虫けらに対して大変失礼なことだと思います。
2017.06.14