最近、九州で金塊絡みの事件がやけに多く発生しています。
昨年7月、福岡で金塊強盗事件がありました。7億5,800万円相当の金塊(160kg)を運んでいた男性に警察官を装った男が声をかけ、金塊入りのアタッシュケースを奪った事件で、福岡・愛知両県警が10人を逮捕しました。
この事件には続きがあり、愛知県警の複数の警察官が逮捕前の容疑者に「福岡県警が捜査を始めた、もうすぐ福岡から警察が来る」と捜査情報を漏らしたため、地方公務員法の守秘義務違反の疑いで捜査中です。
そして、今年4月の福岡での現金強奪事件です。みずほ銀行・福岡支店から 約3億8,400万円を引き出した東京都内の貴金属店勤務の会社員が男2人に襲われ、金塊買いつけ資金を強奪されました。
さらに、今月、佐賀県の唐津で金塊密輸事件がありました。金塊の洋上取引に関する情報を把握したため、第7管区海上保安本部、佐賀県警、税関の3機関が合同で内偵捜査を続けていたところ、その網に引っかかりました。
長崎から西に200数十キロの東シナ海で、中国方面からやってきた船と、日本から向かって行った船が洋上取引をした後、漁船を装った小型船に金塊 約206kg(10億円相当)を載せ、佐賀県唐津市の名護屋漁港に入港して陸揚げし、港に止めてあったワゴン車に金塊を積み込んだところを、釣り人を装った捜査員が一斉に摘発しました。この事件では日本人5人と中国人3人、計8人を関税法違反(無許可輸入)の疑いで逮捕しました。
なぜ、九州でこれほどまでに金塊絡みの事件が起こるのでしょうか?
密輸については、密輸品輸送拠点の東南アジア、特に、香港、シンガポールから地理的に近いことです。
密輸以外については、私が想像するに、九州で密輸された金塊が強奪されたり、九州で密輸された金塊を買いつけるために準備した現金が強奪されているのだと思います。
10億円の金塊を密輸すれば消費税8,000万円が浮きます。暴力団と、事情を知っている貴金属加工業者とがグルになって、金塊を加工した後に東京都心の貴金属店や御徒町のジュエリー問屋街などで販売すれば、なかなか足がつかないと思います。
もしかすると、東京のお金持ちの奥様方が身につけている宝飾類は犯罪絡みのものかもしれませんね!
2017.06.09