「嫉妬」という文字をよく見ると「嫉」は女偏+病ダレ+矢で、嫉み(そねみ)、「妬」は女偏+石で、妬み(ねたみ)です。「嫉」は病的にカッとなってヒステリーを起こすようなイメージで、「妬」は思い込んだら石のように融通が利かないようなイメージです。
嫉妬は男女共通の感情なのに、なぜ2つとも女偏なのでしょうか?
焼きもちを焼くのは女性に多いからなのでしょうか?
私は、そもそも漢字というものは、昔々、男性が作り、女性の意見が反映されていなかったからだと思います。昔は男性中心の封建社会だったので、女性に対する偏見もあったはずです。
おしなべて女偏にはマイナスイメージがつきまとう漢字が多いようです。「嫉妬」のほかにも、「姑息」、「媚びる」、「嫌い」などもあります。
もともと「嫉妬」は中国語でした。台湾は繁体字なので別ですが、現代の中国語の文字は簡体字ですので、少し簡略化して、嫉妒(jidu, 第2声+第4声、ジードゥ)とつづります。
数年前、中国で、ある弁護士が「女偏は女性差別にあたるのではないか?」と問題提起し、話題になったことがあります。
最近はどの企業でも「男女雇用機会均等法」を意識しなければならなくなってきました。そんなことをしてくれなくてもいいのに、・・・ と考える女性も多い中で徐々にその方向に進んでいます。その立法趣旨は「男女の差別の禁止」です。
しかし、漢字には明らかに差別が存在しています。「嬲」という漢字もありますね。男2人の間に女が1人で「なぶる」です。
国語審議会は中央省庁の再編で廃止になりましたので、今でいえば文科省の文化審議会や男女同権を叫ぶ皆さまは黙っていてもいいのでしょうか?
2017.05.07