日本の憲法は、1947(昭和22)年の施行以来、一度も改正されていません。
では、海外はどうかと言うと、第2次世界大戦後から昨年末までの71年間に、ドイツは60回、フランスは27回、イタリアは15回、中国、韓国はそれぞれ9回、アメリカは6回改正されています。
これはなぜでしょうか?
ひとつの理由として、憲法改正手続きの難易度が考えられます。海外の憲法改正は、国会で過半数が賛成すれば変えられるところが多いのに対して、日本の憲法改正は、衆参両院の総議員の3分の2以上の賛成で発議し、国民投票で過半数の賛成を得る必要があり、世界でいちばん憲法改正のハードルが高い国になっています。
もうひとつの理由は、私は、日本人の国民性にあるのではないかと思っています。いちどルールが決まれば、日本人は、そのルールに従って行動しようとするのに対し、欧米はルール自体を変えてしまう傾向があります。そのため、日本では約70年間、憲法改正そのものをタブー視してきたのだと思います。
現行憲法は連合国の占領下で、日本を軍事的に弱体化させる目的をもって制定されたもので、十分にその目的は達成されています。また、戦後70年経ち、憲法と現実との間にさまざまなギャップも生じています。
憲法改正そのものをタブー視し、憲法を変えたとたん、平和な国でなくなり戦争に突き進んでいくのではないかと言う人もいます。しかし、それは幻想であって大切なのは中身です。
機が熟してきましたので、ひとつひとつ、憲法のどの部分をどのように変えるのか、その中身をじっくり議論すべきよいタイミングかと思います。
2017.05.08