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酒興放論

お気楽に人生を楽しんでばかりいるとバカになってしまうので、せめて1日に1回ぐらいはまとまったことを考えてみようというところから始めたお気楽ブログで、お酒を楽しみながら言いたいことを言うという趣旨です。ふだん、飲み友だちと居酒屋で酒を酌み交わしながら話し、話した先から消えていくような、1話1~2分のたわいもないお話です。心境が変化したら、ある日突然やめるかもしれません。

第178話【日本語】日本語輸出、海外での普及度合いは?

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第178話【日本語】日本語輸出、海外での普及度合いは?

日本が海外から輸入した外来語はたくさんありますが、逆に、日本から海外に輸出した日本語もたくさんあります。

しかし、現状では、それらのほとんどは「日本固有の文化」を表現する日本語で、現地の言葉に訳してもピンとこないため、そのまま日本語を外来語として使っているケースが多いようです。

ここで、日本語が海外で外来語として定着していくプロセスを3つの発展段階に分けて考えてみたいと思います。

第1段階は、日本文化に接するときにだけ使われる日本語で「名詞」が中心、第2段階は、外国人の日常生活の中に入り込んでいる日本語で「形容詞」が中心、第3段階は、外国人の思考ツール、コミュニケーションツールのひとつとして定着した日本語で「動詞」も含みます。

たとえば、海外の日本食レストランのメニューには「寿司」・「刺身」・「天ぷら」・「すき焼き」・「しゃぶしゃぶ」・「そば」・「うどん」・「ラーメン」などがアルファベットで書かれていたり、店によっては、漢字・ひらがなで書かれていたりします。

また「日本食は健康によい」と言われ始めてから、海外のスーパーマーケットに「豆腐」・「納豆」・「味噌」・「醤油」などが並ぶようになりました。

日本人駐在員相手に商売をしている中国の居酒屋の中には、昼の「弁当」を会社の食堂まで届けてくれるサービスをするところがあり、私もこれのお世話になりました。

ちなみに、時々、このような日本の伝統がゆがめられて外国に伝わっているケースもあります。

米サンフランシスコ在住の人から聞いた話ですが、韓国人が経営している、ある寿司バーでは、ワサビの代わりにタバスコを使っているため、ワサビだと鼻にツーンとくるところが、タバスコなので目にツーンとくるそうです。ワサビの代わりにタバスコを使う発想は日本人にはありません。

日本の伝統的なスポーツも海外で人気があり「空手」・「柔道」もそのまま使われていて、日本の伝統文化では「盆栽」・「生け花」もよく知られています。

日本に来る外国人旅行客、中でも欧米人に人気があるのが「歌舞伎」のほかに、江戸時代の「侍」・「忍者」・「浮世絵」、明治・大正・昭和時代の雰囲気が漂う「芸者」・「着物」・「三味線」などです。

「カラオケ」は、中国・タイなど、日本人がよく行くところにはたくさんあります。

「津波」は昔々から英語の辞書に載っている単語のひとつですが、2011年の東日本大震災で一気に有名になりました。

韓国では「ツンデレ」や「オタク」などの日本の若者言葉が流行しているようです。

これらの日本語はいずれも「名詞」で、海外進出した日本語の現地での普及段階としては「第1段階」に位置づけられます。

「名詞」の次は「形容詞」です。

日本人がよく買い物をするような海外の土産物屋に行くと、店員が「安いよ」を連発しています。日本のアニメは海外でとても人気があり、アニメを通じて「かわいい」が浸透していきました。昨年10月、バッハ IOC会長が、東京五輪の会場見直しに関連し「もったいない」発言をしました。

「ありがとう」、「おはよう」、「こんにちは」、「こんばんは」、「さようなら」などの決まり文句も「第2段階」レベルです。
 
これらの日本語は話す相手が日本人の時にしか使われていないような気がします。

「第3段階」は、外国人の思考ツール、コミュニケーションツールのひとつとして定着した日本語ですが、現状では、ほとんど存在しないのではないかと思います。

戦時中に「敵性語使用禁止」の通達が出たことがあり、サービスは「奉仕」、トラックは「自動貨車」などと置き換えられました。この辺まではいいのですが、ビールが「泡立ち大麦水」と置き換えるあたりからだんだん苦しくなってきます。
 
バケツは、当時を知る人から「円形水受け器と言っていた」と聞いたことがありますので、バケツリレーは「円形水受け器駅伝」だったのでしょうか?

しかし、よく考えてみると、漢字が中国からの外来語ですので、私は、敵性語の置き換え自体が馬鹿げていると思います。

このように、外国人の日常生活の中で、置き換えに苦労するレベルまでいったら、日本語の海外展開も本物です。

以上のように、海外での日本語の普及段階を3つの発展段階に分類すると、現状は「第1.5段階」ぐらいで、外国人の生活の中に溶け込んでいるとは言えず、まだまだ誇れるほどのところまでには到達していないと思います。

2017.09.25
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