7月に厚生労働省が日本人の平均寿命を発表しました。
それによると、2016年時点での平均寿命は、男性が81.0才、女性が87.1才でした。
第2次世界大戦末期の1945(昭和20)年の平均寿命が、男性23.5才、女性32.0才であったのと比べると雲泥の差です。戦争の混乱期のデータの信頼度は低いのですが、戦争で多くの若い命が失われていた時代ですので、極端に寿命が短かったのは間違いありません。
戦後しばらくの間は、ただ戦争が終わったという、それだけの理由で平均寿命が伸び続けました。
1947(昭和22)年は男性50.1才、女性54.0才。その後も、医療技術の進歩もあって寿命が伸び続けました。
ところで、ここ20年の推移を見ると、
1996(平成8)年は、男性77.0才、女性83.6才、
2006(平成18)年は、男性79.0才(+2.0才)、女性85.8才(+2.2才)、
2016(平成28)年は、男性81.0才(+2.0才)、女性87.1才(+1.3才)
となっていて、ざっと、10年ごとに2才ぐらいずつ寿命が伸びています。
この先どのように推移するのでしょうか?
どこかで人間の体力の限界に到達して、対数グラフのように頭打ちになるのかもしれませんが、医療技術の一段の進歩によって、この先もほぼ直線的に伸びるのかもしれません。
仮に直線的に寿命が伸びていった場合、次の簡単な計算式で、自分の寿命が求められます。
現在の平均寿命 +(現在の平均寿命 ー 自分の年令)÷ 10年 × 2.0才 = 自分の寿命
です。
たとえば、いま60才の人は、
男性であれば、81.0才 +(81.0才 ー 60才)÷ 10年 × 2.0才 = 85.2才、
女性であれば、87.1才 +(87.1才 ー 60才)÷ 10年 × 2.0才 = 92.5才
となります。
いま生まれたばかりの子どもは、
男の子であれば、81.0才 +(81.0才 ー 0才)÷ 10年 × 2.0才 = 97.2才、
女の子であれば、87.1才 +(87.1才 ー 0才)÷ 10年 × 2.0才 = 104.5才
となります。
年令別の寿命は正規分布している傾向があり、その場合、中央値が平均寿命になります。
しかし、個人についてみると、生活習慣が多少影響しますので補正係数が必要かもしれません。つまり、食事の栄養バランスに気をつけ、あまりお酒も飲まず、タバコも吸わず、ストレスもためず、適度な運動をして健康に気をつけている人は、平均寿命よりも2~3才長生きするかもしれませんし、その逆の生き方をしている人は2~3才ぐらい早死にするかもしれません。
平均寿命は、生きている確率が50%、死んでいる確率が50%という年令です。
正規分布の両端がプラスマイナス25才であれば、将来、最高年令が約130才の時代がくるかもしれません。
人間いつ死ぬかわかりません。しかしそれでは人生設計を立てることができません。であれば、とりあえず、生きている確率が50%、死んでいる確率が50%という年令のところに自分の寿命を仮設定して、人生を楽しく有意義に過ごすことを考えるのがよいと思っています。
2017.09.21