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酒興放論

お気楽に人生を楽しんでばかりいるとバカになってしまうので、せめて1日に1回ぐらいはまとまったことを考えてみようというところから始めたお気楽ブログで、お酒を楽しみながら言いたいことを言うという趣旨です。ふだん、飲み友だちと居酒屋で酒を酌み交わしながら話し、話した先から消えていくような、1話1~2分のたわいもないお話です。心境が変化したら、ある日突然やめるかもしれません。

第151話【文化】秋の風物詩「新酒」と「杉玉」

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第151話【文化】秋の風物詩「新酒」と「杉玉」

日本の多くの企業の会計年度は4月に始まり翌年の3月まで続きますが、日本酒の製造年度は7月から翌年の6月までです。米を収穫するタイミングに合わせてお酒造りの準備が始められるからかもしれません。

そして7月以降に造られ翌年の6月までに出荷された日本酒のことを「新酒」と呼びます。

日本酒造りは冬の寒い時期に行なわれることが多く、12月から1月が新酒の季節になっています。

新酒ができると、造り酒屋の軒先には青々とした「杉玉」が吊るされます。これは「今年もおいしい新酒ができましたよ!」と知らせるサインです。

そして、数か月経ったころにその造り酒屋の前を通ると、吊るされたばかりのころは緑色だった「杉玉」が、だんだん枯れて茶色がかってきています。これは「お酒が熟成しましたよ!」と知らせるサインです。

「杉玉」は、スギの穂先を集めてボールのような形にしたもので、直径はだいたい60cmぐらいです。毎年新酒ができると、蔵人(くらんど)が新しい杉玉と取り替えます。

このように、新酒の熟成度合いを知らせるサインとして杉が使われるようになったのは江戸時代初期で、現在のようなボール状の「杉玉」になったのは江戸時代後期と言われています。

俳句では「新酒」は晩秋の季語になっています。

「憂あり新酒の酔に托すべく」は夏目漱石が詠んだ句です。夏目漱石は酒好きでしたが、強い方ではありませんでした。

江戸時代から現代に続く秋の風物詩「新酒」と「杉玉」は、日本の秋を彩る、大切にしたい文化のひとつです。

2017.08.29
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