現在の北朝鮮の本当の姿について知っている人はほとんどいないと思います。
読売新聞や朝日新聞などの日本のマスコミが北朝鮮の報道をするときには、決まって「北朝鮮関係筋」によると、という断り書きを入れたうえで書かれます。日本のマスコミが、ある人がこのように言っていると伝えているだけですので、いろいろな角度から検証された事実ではないという意味です。
ところで「北朝鮮関係筋」とは具体的には誰を指すのでしょうか?
これは、日本のマスコミが北朝鮮人とどれだけ接触して取材できる機会があるかを考えれば見えてきます。
通常は、中朝国境沿いの町で北朝鮮貿易商と接触するか、あるいは、東南アジア、中東、アフリカなどで北朝鮮の出稼ぎ労働者と接触するかぐらいで、あとは、北朝鮮となんらかの接点のある中国人ぐらいです。これらをひっくるめて「北朝鮮関係筋」と言っているのだと思いますが、その中に北朝鮮政府関係者が含まれることはまずないと思います。
ですから「北朝鮮関係筋」による情報は、基本的には井戸端会議レベルだと判断してもよいと思います。
しかし、そのようにデマが多く情報が錯綜した井戸端会議の中にもいくつかの真実が含まれているはずですので、デマを捨て真実を見極めて抽出できる感性が必要になってきます。
その点、韓国政府経由の情報であれば、基本的に正しい情報である可能性が高いと思われます。
2~3日前の朝日新聞デジタルで、朴政権関係筋の話として、2015年12月、朴槿恵・前大統領が、国家情報院主導の、金正恩暗殺を選択肢のひとつとした工作の決裁書にサインをしたことが報じられました。
その暗殺のやり方は、金正恩が乗る自動車、列車や水上スキー(金正恩は水上スキーをするのか?)に細工をして事故に見せかけた殺害方法でしたが、北朝鮮の警戒が厳しく実現しなかったそうです。
ここまでが報道内容です。
私は、いちどは金正恩暗殺を企てた朴槿恵・前政権を見直しました。
しかし、そもそも、韓国単独で北朝鮮国内で暗殺を企てるのはかなり難しいと思います。
金正恩暗殺を成功させるためには、まず、金正恩政権内部に、韓国の意を受けて工作をしてくれる協力者を作る必要があるからで、しかも大掛かりな暗殺計画ですので、組織でないとうまく事が運ばないからです。
私は、金正恩暗殺は、金正恩の側近が自ら企てない限り成功しないのではないかと思います。つまり、クーデターということです。
2017.06.29