北朝鮮では、2月16日前後になると何かが起こります。
2月16日は故・金正日総書記の誕生日で、死後、光明星節(こうみょうせいせつ)という祝日になっています。
毎年、この時期になると、北朝鮮の機関ごとに最高指導者への忠誠心を報告する大会が開かれ、激しく忠誠心競争を繰り広げているようです。
今年2月14日にマレーシアのクアラルンプール国際空港で金正男さんが暗殺されたのも、金正日総書記生誕75周年に向け、北朝鮮人民軍偵察総局が企画し実行した犯行で「金正恩へのプレゼント」であることは明らかです。
20年前の1997年に金正男さんの従兄弟・李韓永(イ・ハニョン)さんが暗殺されたのも2月15日でした。
李韓永さんは、金正日総書記の元妻・成蕙琳(ソン・ヘリム)さんの実姉・成蕙琅(ソン・ヘラン)さんの息子ですから、金正男さんの従兄にあたり、金正日総書記の甥です。
そして、韓国に亡命していた李韓永さんはソウルの友人宅前で北朝鮮工作員2人の手により頭部を銃撃され殺害されました。
李韓永さんは、1996年に「平壌・十五号官邸の抜け穴」という北朝鮮のロイヤルファミリーの実像を暴露した本を出版したため、金王朝の怒りを買い、翌年に殺害されました。
金正男さんもまた、金日成・金正日・金正恩と続く金一族による世襲制を批判したことで金正恩の怒りを買っていました。
このように、北朝鮮では金王朝が気に食わない人は消される運命にあります。
恐ろしい国です。
2017.05.28