昨日からプロ野球のセ・パ交流戦が始まりました。
Koboパーク宮城球場で行われた 楽天×巨人戦 をTVで少しだけ見ましたが、すぐにやめました。楽天と巨人とを見比べて、ひと目で試合に臨む姿勢が違っていたからです。
巨人の先発は防御率1.58のエース菅野、楽天はエースの則本ではなく辛島。試合前の予想では、誰が見ても巨人有利でした。
しかし、試合が始まると、楽天は試合開始直後から芯でとらえたいい当たりを連発して得点を積み重ね、終わってみれば先発全員安打、13対5で楽天が勝ちました。
野球で3割打者と2割5分の打者とでは、技術的に大きな開きがあります。左投げ・右投げの違いを苦にせず、内角・外角、高め・低めなどのコースや球種などについても、極端に苦手なところがなく、得意なツボにはまれば安打を打てる打者で3割、左投げ・右投げのどちらかを苦手としたり、あるコースやある球種などに苦手意識を持っている穴の多い打者で2割5分です。
この試合では、楽天には2割5分ぐらいの打者が数人いましたが、みんなおもしろいように打ちまくっていました。
先ほどの理屈で言うと、2割5分ぐらいの打者は、穴が多く、その弱点がパ・リーグの他の球団に知られていて、そこを攻められるので打率が上がらないのです。
巨人の小林捕手は、この攻め方を知らず、よりにもよって、この打者はここしか打てないというところにボールを要求し、菅野投手がそこに投げ、案の定打たれるということの繰り返しでした。
ベンチにいる楽天の選手は闘志満々で生き生きしていたのに対し、ベンチにいる巨人の選手は死んだ魚のようなうつろな目つきで、楽天の選手の情報が書かれているアンチョコを回し読みしている様子がTVに映っていました。
これを見て、試合開始前の準備段階ですでに勝負がついていると思いました。
楽天は、事前に巨人の選手の情報を調べつくし、対策を練ったうえで試合に臨んでいたのに対し、巨人はこの努力を怠り、どんな選手と戦うのかを知らないまま試合に臨み、試合中にアンチョコを回し読みしながら勉強していると、私の目には映りました。もし、これで巨人が勝ったら、勝利の女神に申しわけがたちません。
だいたい巨人は相手チームの研究をしなさ過ぎです。
3年前まで、巨人は広島をカモにしていました。対戦成績を見ると、
2009年 14勝7敗3分け、
2010年 18勝6敗、
2011年 16勝6敗2分け、
2012年 15勝8敗1分け、
2013年 14勝8敗2分け、
2014年 13勝10敗1分け
でした。
それが2015年になると10勝15敗、2016年12勝13敗となり、2017年はいまのところ、1勝10敗です。
広島の緒方監督はインタビューで「しっかり巨人の研究をしましたから勝ててます」と答えていました。
巨人の選手が他球団の選手よりも技術的に劣っているはずはなく、むしろ本来の実力は上だと思います。しかし、TV中継されるのはほとんどが巨人の試合ですから、それを見ていれば、巨人の選手に対してはこのように攻めればよいのだということが知れ渡っています。
巨人のスコアラー、コーチは、他の11球団のすべての試合をVTRで見て研究すべきです。
中国の兵法書「孫子」にこのような言葉があります。
「敵を知り己を知れば百戦して危うからず」。
いまの弱い巨人には、この孫子の言葉を贈ります。
早く、この、簡単で当たり前のことに気づき、手を打って再浮上することを期待しています。
2017.05.31